ねずみのふんが一個だけ見つかった。それは、犯人が残した、たった一つの「手がかり」です。この手がかりを元に、名探偵のように家の隅々を調査し、ねずみの侵入経路を突き止めることが、被害の拡大を防ぐための最も重要なミッションとなります。ねずみは、驚くほど小さな隙間からでも侵入してきます。体の大きなクマネズミやドブネズミでも、直径1.5cm、つまり1円玉ほどの隙間があれば、やすやすと通り抜けてしまうのです。では、どこを重点的にチェックすれば良いのでしょうか。まず、ふんが見つかった場所の周辺を、徹底的に調査します。ねずみは、壁際や家具の裏など、体に何かを触れさせながら移動する習性があります。ふんがあった場所の近くの壁や柱に、黒っぽい擦り跡(ラットサイン)が残っていないか、懐中電灯で照らしながら確認しましょう。この黒い汚れは、ねずみの体の油や汚れが付着したもので、彼らが頻繁に通るルートであることを示しています。次に、家の「外」と「中」を繋ぐ、あらゆる隙間を疑います。最も怪しいのが「配管の貫通部」です。キッチンのシンク下や、洗面台の下、トイレの裏、そしてエアコンの配管が壁を貫通している部分には、施工上、どうしても隙間が生まれがちです。これらの隙間は、ねずみにとって高速道路の入り口のようなものです。金網や防鼠パテで塞がれているかを確認しましょう。古い家屋では、「壁のひび割れ」や「基礎部分の通気口の破損」も、格好の侵入口となります。家の外周をぐるりと一周し、怪しい隙間がないかを目視で確認します。意外な盲点となるのが、「換気扇」や「シャッターの戸袋」、「屋根の隙間」など、高い場所にある侵入口です。特に、運動能力の高いクマネズミは、電線や雨どいを伝って、いとも簡単に高所から侵入してきます。ふんが一個だけというのは、まだ被害が始まったばかりのサインです。この初期段階で、犯人の侵入経路を特定し、徹底的に封鎖すること。それができれば、あなたは、これから起こるかもしれない大きな被害を、未然に防ぐことができるのです。