虫の卵を見つけては駆除する、といういたちごっこに終止符を打つためには、そもそも虫に「ここは産卵に適した場所ではない」と思わせることが最も重要です。つまり、駆除よりも効果的なのが「予防」です。親となる虫を家に寄せ付けず、産卵場所を与えない環境作りを心がけましょう。まず、屋内での対策です。虫が家に侵入する最大の理由は、そこに「餌」と「安全な隠れ家」があるからです。第一に、侵入経路を徹底的に塞ぎます。網戸の破れやサッシの隙間をチェックし、必要であれば修理や隙間テープで補修します。換気扇やエアコンの配管周りの壁の隙間も、パテなどでしっかりと埋めましょう。第二に、餌となるものを断ちます。キッチンでは、食品は必ず密閉容器に入れ、食べこぼしや生ゴミは速やかに処理します。ゴキブリや食品害虫は、わずかな食べカスでも繁殖できます。そして第三に、隠れ家と湿気をなくすことです。押し入れやクローゼTットは定期的に換気し、不要な段ボール箱や古新聞は処分します。除湿を心がけ、カビの発生を防ぐことも、カビを餌とするチャタテムシなどの発生予防に繋がります。次に、屋外・庭での対策です。多くの虫は、湿っていて風通しの悪い、薄暗い場所を好んで産卵します。庭の雑草をこまめに抜き、落ち葉を掃除して、地面をすっきりとさせましょう。植木鉢の下は絶好の隠れ家になるため、レンガなどで地面から離して風通しを良くします。水やり後の受け皿の水は、ボウフラの発生源にもなるため、必ず捨てるようにしてください。また、虫が嫌う香りを放つハーブ(ミント、ラベンダー、ローズマリーなど)を植えたり、木酢液を薄めて散布したりするのも、自然な忌避策として有効です。これらの対策は、どれも地道なものですが、継続することで、虫にとって魅力のない環境を作り上げ、卵を産み付けられるリスクを大幅に減らすことができます。清潔で整理された環境は、私たち人間にとっても快適なはずです。
産み付けさせない!虫の卵を寄せ付けない家と庭の作り方