家の中でゲジゲジに遭遇した時、その不快な姿にばかり気を取られてしまいがちですが、本当に私たちが目を向けるべきは、その背景にある「家の環境問題」です。ゲジゲジの発生は、単なる虫の問題ではなく、あなたの家が「過剰な湿気」という、より深刻な問題を抱えていることを示す、重要な危険信号なのです。ゲジゲジは、その体の構造上、乾燥に非常に弱く、湿度70%以上の、ジメジメとした環境でなければ生きていけません。彼らが家の中に侵入し、定着するということは、家のどこかに、彼らにとって快適な、恒常的な高湿度空間が存在する、何よりの証拠です。その原因として、まず考えられるのが「換気不足」です。浴室やキッチン、洗面所といった水回りの換気が不十分であったり、押し入れやクローゼットが常に閉め切られていたりすると、湿気がこもり、ゲジゲジの格好の住処となります。また、家の構造的な問題が原因である場合も少なくありません。例えば、床下の換気が悪く、土壌からの湿気が上がってきている。あるいは、壁の内部で結露が発生していたり、雨漏りや、気づかない場所での配管の水漏れが起きている。これらの問題は、ゲジゲ-ジを呼び寄せるだけでなく、より深刻な事態へと発展する可能性があります。湿気は、ゲジゲジの餌となる「カビ」や「ダニ」の繁殖を促進します。これらは、アレルギーや喘息の原因となる、直接的な健康被害をもたらします。さらに、長期間にわたる高湿度は、家の土台や柱といった、木造部分を腐らせる「木材腐朽菌」の発生を招きます。木材が腐食すれば、家の耐震性が著しく低下し、地震の際に倒壊するリスクが高まります。つまり、ゲジゲジの発生は、アレルギー、そして家の倒壊リスクという、二重の危険を知らせる、初期の警告灯なのです。ゲジゲジを見つけたら、その一匹を駆除して安心するのではなく、「なぜ、うちの家はゲジゲジに選ばれたのか?」とその原因を探り、換気や除湿、場合によっては専門家による家屋診断といった、根本的な湿気対策に取り組むことが、あなたと家族の健康、そして大切な家そのものを守ることに繋がるのです。